辻一弘の特殊メイク作品の映画一覧!アンディウォーホールの制作秘話がヤバい!

第90回アカデミー賞授賞式で
メイク・ヘアスタイリング賞を
辻一弘さんが受賞しました!
そこで辻さんが手がけた特殊メイク
作品を調べてみました!
話題になったアンディウォーホール
の顔の制作秘話もチェック!
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辻一弘のプロフィール

辻一弘(つじ かずひろ)

プロフィール
生年月日:1969年5月25日(48歳)
出身:京都府京都市
出身高校:平安高校
職業:メイクアップアーティスト

ロスで2匹の猫と暮らす辻氏の
庭には竹ともみじが植えられて
います。

竹林の多い京都出身なので
小さいころから竹が好きだった
そうです。

ハリウッドで特殊メイクの
一人者として認められほどの
実力と才能を持った辻一弘氏。

これまでチャンスは自分の手
でつかみとって
きました。

幼いころからものづくりが
好きだった辻氏が
特殊メイクに興味を持ったきっかけ
は映画「スターウォーズ」。

高校時代に特殊メイクをする過程
が掲載されたアメリカの雑誌を
見ながら独学で特殊メイク
勉強します。

当時から辻一弘氏は
小指を創って落としたり、
やけどのケロイドを創って先生を
驚かせるイタズラをしていたとか。

かなりリアルな出来ってこと
ですよね。

次第にハリウッドを目指すよう
になった辻氏は18歳の時に
リンカーン大統領にメイクをした
自分の写真をハリウッドで特殊メ
イクの第一人者に送ります。


かなり完成度が高いですね!

辻一弘氏の才能を見出し、返事を
したのはメイクアップアーチストで
アカデミー名誉賞の受賞経験も
あるディックスミスでした。

返事をもらったことで、
辻さんは独学でメイクをさらに改良
し、1年で12回も手紙を送り続けま
した。

ディックスミス氏に努力と才能を
認められて27歳の時、ハリウッドへ
そして辻一弘氏はディックスミスの
もとで多くのハリウッド作品に
携わることになります。

2年連続でアカデミー賞に
ノミネートされますが
受賞は逃すことに。

ハリウッドの特殊効果メイクアッ
プアーティストとして25年働いた
のち、2012年に現代美術に転向。

初めて出品したニューヨークの美術
展ではリアルに制作したアンディ
ウォーホールの顔像が大きく話題に!

確かに、この作品はリアルすぎて
今にも動き出しそうです。

ハリウッドから遠ざかっていた
辻一弘氏ですが、あること
きっかけでハリウッドへ戻り
ます。

これがきっかけで
日本人初のアカデミー賞を
受賞することに!

ハリウッドに復帰したきっかけ
とは何だったのでしょうか?

特殊メイク復帰のきっかけ

2006年、2007年とアカデミー賞
にノミネートされるほどの
特殊メイクの実力者だった
辻一弘氏。

2012年に映画界から引退し、
現代美術に転向し、発表する作品
は徹底したリアルさで話題になって
います。

ところが引退した辻氏に
俳優のゲイリー・オールドマン
熱烈なラブコールを送ります。

ゲイリー・オールドマンと
いえば、日本では
ハリーポッターシリーズの
シリウスブラック役
でおなじみ
ですね。

そのゲイリー・オールドマン
が『ウィンストン・チャーチル/
ヒトラーから世界を救った男』で
主演を演じるには、
辻一弘氏の特殊メイクの高い才能
が必要と

辻一弘氏がメイクをしなければ
出演しない

と直々にアツいオファーを受け、
それに感服した辻氏は一度引退した
映画界へ復帰。

毎日3時間半かかって特殊メイクを
施して、ゲイリー氏とは全く
違うふくよかなチャーチル首相
に仕立て上げます。

その様子はこちら↓↓

メイキング映像でゲイリー氏を
チャーチル首相にしていく
辻一弘氏の匠の技がわかります。
すごいです!

この完成度の高さと才能で
一緒に仕事をしたメイクアップチー
ムの仲間とともに、
2018年メイクアップアーティスト
&ヘアスタイリスト組合賞など
多くの賞を受賞し、
オスカー獲得も確実
と噂されるほどに。

そして
アカデミー賞メイクアップ部門で
日本人初の受賞
を果たすことに
なりました!

名優と称えられる俳優から
直々にオファーを受け、
辻一弘なしではこの作品には
出演しない、とまで言われる
なんて素晴しい才能と功績
ですね。

3度めの正直でアカデミー賞を
受賞した辻一弘氏。

名優ゲイリー・オールドマン
から直々にオファーを受ける
ほど、ハリウッドでは辻一弘氏
の技量の高さと才能が認めれて
いたのですが
どんな作品を手がけたのか
気になりますね!

手がけた特殊メイク作品一覧

あの作品もこの作品にも
辻一弘氏が手掛けていますよ!

アカデミー賞ノミネート作品
「もしも昨日が選べたら」(2006)

徐々に年齢を重ねていく顔が
すごい!

「マッド・ファット・ワイフ」(2007)
※アカデミー賞ノミネート

黒人のエディマーフィが白人へ!

他の作品は年代を追ってみました。

・スウィートホーム(1989)
・八月の狂詩曲(1991)
※黒澤明監督
・ミンボーの女(1992)
・Critical Care(1997)
・エディ&マーティンの逃走人生(1999)
・ワイルド・ワイルド・ウエスト(1999)
・グリンチ(2000)
※数々の賞を受賞

・PLANET OF THE APES/猿の惑星(2001)

※辻氏の32歳の代表作
・メン・イン・ブラック2
(2002)


こっわ・・・汗
・ザ・リング(2002)
・ホーンテッドマンション(2003)
・ヘルボーイ Hellboy(2003)
・ザ・リング2(2005)

・チャックとラリー おかしな偽装結婚!?(2007)
・魔法にかけられて(2007)
・トロピック・サンダー/史上最低の作戦(2008)
・ベンジャミンバトン 数奇な人生
(2008)


ブラピがおじいさんに!
・天使と悪魔(2009)
・G.I.ジョー(2009)
・ソルト(2010)

アンジェリーナジョリーが男性に!
・LOOPER/ルーパー (2012)
・私が愛したヘミングウェイ(2012)

ニコールキッドマンが老婆に!
・ウィンストン・チャーチル/
ヒトラーから世界を救った男(2017)

※アカデミー賞受賞!


【現代アート】

辻一弘が映画界を引退した理由

脚光を浴びていた映画界から
引退した辻一弘さん。

内容より利益を追求する
映画会社や、お金のためだけに
働く仲間にウンザリし、
楽しかった映画作りが辛いもの
に代わっていきました。

辻さんは、映画業界を
人間の欲の塊でできたもの
と感じはじめ、
その中ですごす事に疑問を
持ちようになり、ついには
無意味なものと感じるように
なってしまいました。

その結果、映画界とその関係者
にかかわるのもいやになるほど
に。

そして一番大きかった理由
自分が手掛けてた特殊メイクが
人々にどんな感動を与えている
のかがわからない。

という手ごたえのなさでした。

もっと意味のある人生を送りたい
と、本当にやりたいことを模索し
始めた辻氏。

以前、師事したディックスミス氏
の80歳の誕生パーティにと、
特殊メイクの技術を駆使して
初めてシリコンを使って
ディック氏の胸像を創りました。

その時のディックさんを慕う
弟子たちの反応が忘れられな
かった
辻さん。

みんなが像のまわりをまわって
色んな角度から見る彼らの
感じていることが伝わってくる

その出来事が忘れられずに
映画界を引退し、
現代アートの世界にのめり込んで
行きました。


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話題になったアンディウォーホールの顔

映画界を引退し、2012年に
現代美術へ転向した辻一弘氏。

ニューヨークで開かれる現代アート
展は、毎年どんな作品が出展される
のかが世界的に注目されるイベント
です。

2013年は新人アーティストである
辻一弘氏に大きな関心が
集まりました。

辻氏のアンディウォーホールの
胸像の緻密なリアルさに圧倒され
た人々たち。

今にもまばたきしそうな目
毛穴まで作りこまれた肌

アンディウォーホールの人柄を
最もよくとらえた一瞬の表情が
刻まれており、息遣いが
感じられるほど。


この作品を見た人は
あまりのリアルさに不気味
を感じ、近づくと目が合うと
こたえていました。

また、あるアーティストは、
どうやって作ったのかさっぱり
わからないスゴイ作品とも。

天才!と言って辻氏にかけよる
女性。

これが辻氏が求めていた
自分の作品に対する感動を
リアルに感じることだったん
ですね。

なぜ辻一弘氏は胸像を作ったの
でしょうか。

辻氏は人の顔はアートだと
言います。

人にはまず顔という表面があ
り、その中に感情や考えがあり、中心に魂がある。

それがどう表面(顔)に伝わって
いくのかが楽しい。

特殊メイクの世界に飛び込んだ
のも人の顔に興味があったから
だった辻さん。

映画界から現代アートへ
転向した辻一弘氏は、
今まで培ってきた特殊メイクの
ノウハウを使った超リアルな
作品をデビュー作として出品し
大きな関心を呼びました。

自分の作品の評価を世に問う
デビュー作に
ウォーホールを選んだ理由
はなんだったのでしょ
うか?

アメリカを代表する
アンディウォーホールは
1960年代にポップアートという
新しい分野を生み出します。

一度は名前を聞いたことが
あるアンディウォーホールの
作品はスープの缶や洗剤の箱を
題材にして作った革新的な作品や

マリリンモンローの顔を色違いで
並べた作品はどこかで見たことが
あるほど有名です。

時代の寵児となったウォーホール
は、銃撃されるなど波乱の人生
を歩みますが、その素顔は
あまり知られていません。

辻氏は
謎に覆われた人間ウォーホールに
興味を抱き続けてきました。

その内面を理解し、表現することに
挑戦するためにデビュー作として
アンディウォーホールを選びました。

辻氏がまず手掛けたのは

粘土彫刻です。
それを通してイメージを膨らませて
いきます。

可能な限りウォーホールの
写真が資料に目を通して
内面を探っていくと
ウォーホールはコンプレックス
強かったことに気が付きます。

自分をどう見られたいか
人からどう見られているか
どう見せたいのか
不安と自信が複雑に
からんでいる人で

そういった
内面と表面が複雑に絡み合った人
に辻氏は興味を持つそうです。

自意識が強くコンプレックス
を抱えていたウォーホール。
このコンプレックスこそが
ウォーホールの人間らしさの象徴
であり、描くべきテーマだと
辻氏は考えました。

そしてどこにも写されていない
ウォーホールの素顔を表現しよう
と思ったそうです。

ウォーホールの胸像は
人の肌の質感に近いシリコンで
作られました。

独自の道具と方法を使って
毛穴のリアルさを作り込ん
でいきます。

一番神経を使ったのがペイント。
肌の色をどうするか、
これにはワケがあります。

ウォーホールのコンプレックスの
一つが病気のせいで肌が白いこと。
それを隠すために化粧をしていた
そうです。

やり直しがきかないペイント
肌の色をどう表現するか。

それが大事なポイントでした。

特殊メイクの経験を通して
色を順番に重ねていく辻氏。

すべて計算されています。

ウォーホールのコンプレックス
だった肌の白さは赤みを多く
使うことで透明感を出すことに。

トレードマークの銀髪は人毛では
細すぎるのでヤクという牛の
尻尾を使い、一本一本手で
縫い付けていきます。

ウォーホールの胸像の顔は
実物の2倍の大きさなので
大変ですよね。

ヒゲは一度植えて切ることで
剃り跡を表現します。

かつらを使用していたのでかつらも
制作します。

スタッフに対する指摘はすごく
細かいのですが、そのすべてに
意味があります。

そして何よりスタッフが
驚くのは

全ての工程を独りでできて
それが専門の職人よりも優れているところ。

なのでスタッフも気が抜けないし
辻氏の要求に必死になって応えよう

ます。

スタッフの中には日本人スタッフも
たくさんいるようです。

まとめ

日本人として初めて
アカデミー賞を受賞した
辻一弘さん。

ハリウッドで働くため
独学で特殊メイクを学び、
後に師事するディックスミス氏へ
手紙を送った行動力。

パワフルですね。

でも、実際の辻さんは
物静かでストイックな印象を
受けます。

じっと物事を見つめて
考える落ち着いたただずまい
を持っているのではないの
でしょうか。

一度、辻一弘さんの作品を
生で見てみたいなぁ。

アンディウォーホールの胸像が
日本で公開されてほしいですね。

アカデミー賞受賞の快挙を
遂げたので、作品と一緒に
日本に凱旋してほしいです!

そして、日本の特殊メイクを
勉強している若者たちに
夢を与えてほしいと
思います。

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございました☆