ノーベル物理学賞を受賞した
梶田隆章氏の師匠である戸塚洋二氏。
2008年7月10日に大腸ガンで
この世を去ります。(享年66歳)
その戸塚氏が余命宣告されたのち、
2007年4月から「A Few More Months」という名の
闘病記ともいえるブログを開設しました。
現在そのブログは削除されており
閲覧することはできませんが、
どんな内容だったのか調べてみました。
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戸塚洋二氏が亡くなる直前まで書い闘病記ブログ
ブログは2008年の7月2日で終わっています。
亡くなる8日前までブログを書いたことになります。
ガンは肺、骨に転移し、
最後には脳に転移をし幻想が現れる状態だったそうです。
科学者として、受けた抗がん剤治療について
副作用やその効果などを、医師からデータを
提供してもらいグラフ化するなど
緻密なデータ分析をすることによって
自分がいまどんな状態かを把握し、
徐々に死に向かう自分自身を冷静に見つめています。
とはいえ末期がんのため、
死に対する恐怖を吐露することもあり、
また庭に咲く草花の写真も取り混ぜながら
更新されていきました。
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2000年に手術、2004年に転移がみつかる
下血などの症状があったのですが
研究に没頭するあまり受診が遅れてしまったそうです。
大腸がんは早期発見できれば完治するガンなので残念です。
腸内環境を整えることで大腸ガンのリスクが減るので調べてみました↓↓↓
▶腸内環境を整えて大腸ガンを予防しよう
ガンになったことは自分のせいだ、
まわりに責任はない、
とブログで書いていた戸塚氏。
潔いとは思いますが胸中はおだやかではなかったようです。
時々奥さまに愚痴をこぼしてしまい、
精神的に追い詰めてしまったという記述もありました。
そして自分の死について意識すると
すぐに違うことを考えるようにしたり、
生物学的に死とは必ず訪れるものだと納得したり、
必死になって死に対する恐怖を理屈で押し込める
ような印象を受けます。
死はすべての人に平等に訪れる、
それがちょっと人より
10年、20年早いだけであって、
自分が死んだあとの10年20年は
決して見たいとおもうような世界ではない
といった記述がありますが、
なんだか無理やり納得しようとする姿勢が感じられます。
それがわかるのがこの記述
「個体の死が恐ろしいのは、
生物学的な生存本能があるからである、
といくら割り切っても、
死が恐ろしいことに変わりがありません。」
(2008年2月の記事より)
治療結果や検査の結果をグラフ化し、
今ガンが体内でどんな状態にあるかを
冷静に分析しつづけた戸塚氏。
それは
徐々に死にむかっていく自分自身を確認する作業
普通の人なら直視できない作業です。
逆にデータを分析することで良くなっているのはないか、
と期待をしていたのかもしれません
宗教的な考えを述べるときもありました
「生前の世界、死後の世界の実在を信じない。
輪廻転生も信じない。
なぜなら、宇宙が生まれ死んで行くのは科学的事実だから、
無限の過去から無限の未来に続く状態など存在し得ない。」
(2008年2月)
ものすごく説得力がありますね~
そして重い・・・
戸塚氏のブログには
庭に咲く植物の写真がよく掲載されていました。
がん闘病記という重いテーマですが、
美しい花の画像に癒されます。
ひょっとしたら戸塚氏にとっても
色とりどりに移り変わる庭の景色は癒し
だったのかもしれませんね
戸塚氏にとって
植物さえも研究の対象だったといいます。
自然が作り出す造形美、
植物はいったいどんな風に戸塚氏の目に
映っていたのでしょうか?
その戸塚氏は亡くなる前にある苗木を植えます。
偶然にも亡くなった季節に白い花をつける苗木でした。
最後に植えた苗木は
このブログには庭の植物の
美しい画像も豊富に載せられていました。
最後に植えたのは
ヒメシャラの苗木だったそうです。
ヒメシャラは細いすべすべした幹が
すっと伸びた背の高い植物で、
住居の目隠しなどで植えられることがあります。
夏になると、椿に似た白い花をつけます。
戸塚氏が亡くなったのは7月でした。
ヒメシャラの花が咲き誇るのも夏です。
偶然なのでしょうか・・・・
戸塚洋二氏の闘病記ブログの書籍化とドキュメンタリーの放送
現在削除されており閲覧ができない
戸塚氏のブログですが、
親交のあった立花隆氏との
対談とともに書籍化されています
がんと闘った科学者の記録 (文春文庫)
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また、2009年にNHKで放送された
「物理学者・戸塚洋二 がんを見つめる」は
闘病記をドキュメンタリーにしたものです。
当時はとても反響があったそうです。
NHKオンデマンドで配信はされていないので、
梶田氏のノーベル賞受賞で再放送して欲しいですね!
内容はとても重いかと思いますが、
世界のトップに立つ科学者である戸塚洋二氏が
どんな風に自身のガンと向き合っていったを見ることができると思います。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました♪